生きている以上避けられない死というもの。
そしていつか発生するであろう典礼「葬式」
そういえば高齢者と密にかかわる介護士さん達は毎回利用者の葬式に参列しているのでしょうか?
老人施設には50~100人の高齢者がいますし、関わった方全ての葬儀に行っていたらどれ位の時間がかかってしまうのだろう…
参列は休みの日に行かないといけない?そうであればプライベートは?香典だって必要だけど実費なんですか?
どうもこんにちは。ペペロンをチーノするマンです(・∀・)ノ
この葬式に関する疑問、先に答えを言ってしまうと介護士さんは利用者の葬式にはいく必要はありません!(基本的には)
しかし、なぜ介護士は葬儀に参列しないのか、全く何もしないのか、利用者のご家族はどうお考えなのか、についてお話しさせて頂きます!
葬式ってナイーブなお話なだけに中々聞くタイミングが分からない方も多かったと思います。
今回その理由についてしっかりお伝えしていきますので、がっつり着いてきてください(・∀・)ノ
介護士は葬式に参列する事を禁止されている
全ての事業所ではないですが、ほとんどの事業所では介護士さんが利用者の葬儀に行ってはいけないという決まり、社内規定になっています。
なのでもちろん「行きたくても行けない」というケースもあります(゚-゚)
その理由は、一回でも利用者の葬儀に行くと利用者全員の葬儀に行かなくてはならないため、です。
利用者のうち、誰か一人だけ特別には出来ませんよね?
そんなことしたら「なぜあの利用者だけ」とご家族の方に言われてしまうのは想像に難くないと思います(゚Д゚)
じゃあ逆になんで全員の葬儀にいかないの?という疑問もあるかもしれません。
人の死ですから、かかわったのであれば行ってあげたほうがいいという気持ちは当然ですよね(・ω・)
が!介護士さんにそんなに時間が無いのは既にみなさんご存知の通りです!!
物理的に難しいです。
もちろん、ご家族だってひっそりと送りたいと考えていて嫌がるパターンもあり得ます(゚-゚)
いずれにせよ、介護士さんはあまり葬儀には参列しないのです。
※場所によってはなるべく葬式に行ってほしいという場所もありますので、あくまでも多いか少ないかという話です。
過去にあった介護士のエピソード
以前、転職の際に担当させて頂いた介護士さんにこういう人が居ました(Aさんと呼びます)。
Aさん「転職はしたいんだけどさ、どうしても見捨てられない利用者がいてさ!その人を最後まで看取るまでは転職できないわごめんね!笑」
Aさんのイメージは肝っ玉母ちゃんみたいな。笑
すごく明るくてマナーがあって人を思いやる心が深い方だと感じたことを覚えています。
もともとその見捨てられない利用者さんという人は問題が多く、介護士をお前呼ばわりするし、かみついたり引っかいたり、他の利用者のものを雑に扱ったりするし非常に浮いた存在だったらしいです。
Aさんがそのユニットに移動した時すでにユニット担当が2人変わっており、施設はベテランのAさんに助けを求める形で配属したんだとか。
もちろん最初は色々とあったそうですが、Aさんは逆に「絶対に名前で呼ばせてやる!!」と息巻いていたそうです(笑)
二人の関係性はしばらくすると変化が表れ始め、最終的にその利用者さんは「Aさんだけは俺の事を分かっている」と言うようになったそう。
もちろんAさんがその事を一番喜びました。
Aさんはこのお話を僕と一番最初に話したときに聞かせてくれました。
もうお気づきかもしれませんが、この利用者さんは亡くなってしまいます。
一番最初にお話しした時からしばらく経って、僕に電話が入りました。Aさんからです。
Aさん「やっぱり転職活動することにしたんで、お仕事探していただけませんか」
この時とてもビックリしました。本当にあの明るいAさんなのかな?と疑ったくらいです。声でわかるくらい本当に弱っていました。
なぜそこまで深い想いを持つに至ったのか現場の本人同士では無いと分からないですが、僕はその時、Aさんはこんな状態になるくらい利用者さんに向き合っていたんだなあと痛感しました。
このAさんがこの時に教えてくれたことが「介護士は利用者の葬儀にはいってはいけない」というルールだったんです。
Aさんはそれがとても辛かったと。ぼくも聞いていてつらかった…
平等が大切なのか、人の想いが大切なのかは分かりません。
いずれにしても、今は「介護士は葬儀に参列してはいけない」という決まりがある施設がほとんどです(゚-゚)
施設長は利用者の葬儀に行く?
介護士は利用者の葬儀に参列しませんが、施設長・ホーム長・ケアマネージャーや場合によっては介護主任の立場にある人は葬儀に参列するという場所があります。
各事業所によってルールはバラバラですが、全く何もしないという訳では無いんですね(・ω・)
特に看取りサービスを行っている老人施設なんかは、葬儀に行くことが多いみたいですね。
葬式の香典はどうするの?
香典についてももちろん持参しなくてはいけませんよね。
しかし、これは会社から支給されるので実費負担はありません!ご安心ください。
このカラクリをお話しすると、その香典の費用についても利用者の施設の利用料で徴収されています。
月数百円程度、毎月徴収し最終的に利用者ご家族へ香典としてお戻しするんですね(゚-゚)
上手い事出来ています…
葬儀に介護施設の人が来る事に対するご家族のお気持ち
介護士さんが葬式に来れない事、施設長が来ることについて利用者のご家族はどう感じているのでしょうか?
もちろんこれも人によってとらえ方は様々ですが、口コミサイトなどを見ているとほとんどのご家族が「ありがたい」「うれしい」と感じてくれるそうです。
人にとっての最後の式です。亡くなられた方がどれくらいの人に偲ばれているか分かることは、遺されたご家族にとっても本人を身近に感じるようで嬉しいお話しなのではないでしょうか(゚-゚)
そうなると、直接かかわりを持ってくださった介護士さんが来てくれた方が、利用者の方も更に嬉しいんですかね?ご家族としては
こういう話を聞くと、ぼくはAさんのような人は葬儀に来てもいい人なんじゃないかと、そう感じたりします。平等って難しいですね。
介護士が利用者にできること=ターミナルケア(終末期医療)
ターミナルには「端っこ、末端」という意味があります。そのケア。
人生の末端(終点)にするケア、これをターミナルケアと呼びます。
ターミナルケアとはなにか?
これにについては世界的にも明確に定義づけられてはいません。
一般的には「余命宣告された方の生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)を高めよう」という意味合いを持ちます。
介護士さんは「利用者が無くなってしまったら出来ることがほとんどありません」
葬儀に行くことすら止められてしまいます(゚-゚)
なので、死を迎えるまでになにが出来るのか?に目を向けたらいいと考えました。
何故ならば介護士さんには死を迎えるまでの間非常に近い距離で利用者さんと関われる権利があります。
これは施設長でもありません、施設長より近い距離に居るのは現場の方です。
利用者のご家族よりももしかしたら近いです。なぜなら施設に入居した時点で介護士さんの方が距離が近くなるから。
ケアマネさんも関りはありますが、365日24時間関わっているのは現場の介護士さんです。
介護士だけが行えること。
だからこそ、介護士さんは素晴らしいお仕事です。尊い職業なのです。
もしかしたら「荷が重い」と感じてしまう方もいるでしょう。その際は無理に関わる事は良くないです。中途半端は相手にも失礼ですからね。
ただ、僕が出会ったAさんのように「本当に心の底から何かしてあげたい」そう感じる方はたくさんいるはずです。
もし今「万が一、ミスをしたらどうしよう」という気持ちと「私にも何か力になれるんじゃないか」という気持ち、その狭間で悩んでいる方が居たら挑戦してほしいです。
その想いは絶対に必要とされます。絶対に。
まとめ
本日もお疲れ様でございました(・∀・)ノ
今回は介護士は葬式に参列するのか?香典はどうするのか?介護士が行えることはなにか?についてお話しさせて頂きました!
利用者さんの葬式についてご説明しましたが、その前。死を迎えるまでになにが出来るのか?についてこのお話を通して興味を持っていただけたなら嬉しいです(・ω・)
もし僕が利用者だったら、本当に何かしてあげたいと思ってくれる介護士さんに出会った時、僕も介護士さんに何かしてあげたいと考えると思います。
そうすれば介護というお仕事を今以上に働きやすく、やりがいのある仕事に出来るかもしれません。
そうやって離職率が下がって、介護士を目指す人が増えてくれたらみんな幸せですね。
今回は利用者さんが亡くなった後のお話しでしたが、これ以外の介護士さんの日々の業務についてはこちらでもお話させて頂いております
ご興味ある場合は参考になさってください!
⇒介護士の仕事内容!初任者・実務者研修・介護福祉士の違いは?
それではまた次回(・∀・)ノ