以前ニュースで流れたあの話。
【介護福祉士で10年経験ある人は給料が8万円アップ!!】
結構なインパクトがあったので何となく覚えている方も多いかと思うのですが、どうなったか知ってますか(゚-゚)?
「介護士で10年経験ある人の給料って8万円上がるんじゃなかったっけ…?介護福祉士だっけ?あれ??」となっていませんか!ぼくはなっていました!!大声
実は、この令和元年の10月1日からすでに適用されているんです!
知らない人も多かったんじゃないでしょうか!
どうもこんにちは。ペペロンです(・∀・)ノ
本日はこの制度について結局どういう制度になったのか、どんな恩恵があるのか分かりやすく噛み砕いて皆さんにお話していきます(・∀・)ノいっくよ~
介護福祉士経験10年の給料8万円アップって結局どうなったの?
まず、令和元年の10月1日から制度自体はスタートしているため、介護福祉士さんの給料は上がると思われます。
この上がると思われるという表現が結構重要です(・ω・)
そして、この制度は皆さんがニュースで見た
介護福祉士で10年の経験がある人は給料が8万円上がる、という内容にはなっていません!
10年の経験がある介護福祉士の給料は8万円あがりません!(大事なことなので二度いう)
では制度の詳細について順番にお話していきます(・ω・)
今回の制度の詳細
今回の制度の名称は“介護職員等特定処遇改善加算”
皆さんが聞いたことあるあの制度は、正式名称で介護職員等特定処遇改善加算と言います。長いので以下、特定加算と言います。
この特定加算ですが今までの介護職員処遇改善加算とは別で、特定の要件を満たす事業所に対して、介護職員処遇改善加算に上乗せする形で支払いがされます。
介護職員処遇改善加算の内容が増えるのではなく、介護職員処遇改善加算+特定加算になるというイメージです!
特定加算を受けるにはまず前提として事業所が処遇改善加算の対象になっていないといけません。
その上で特定加算の加算要件を満たす必要があります。
次に、事業所が加算の申請をしなくてはならないのですが、これが結構大変です。
最後に、その分配方法について事業所がルールを決めて、従業員へ分配する!という形です。
具体的にどれくらい上がるのでしょうか…そしてそもそも貰えるのか特定加算…
なんだか給料アップまで少し遠い気がしますよね( `ω´ )その気持ちは分かります
ただ、ややこしいだけで加算自体は貰えないような内容にはなっていないのでご安心ください。
では加算を受ける為の要件を分りやすくお話していきます(`・ω・´)
事業所が特定加算の加算対象になるための要件
まず一つ目は「現行加算要件」
今までに貰っていた処遇改善加算にはⅠ~Ⅴまでの区分があります。
要件を満たすのが一番大変なのが(Ⅰ)で、(Ⅱ)⇒(Ⅲ)⇒(Ⅳ)⇒(Ⅴ)と難易度が下がっていきます。
その代わりに加算を一番多く受けられるのも(Ⅰ)で、これも(Ⅱ)⇒(Ⅲ)⇒(Ⅳ)⇒(Ⅴ)と貰える金額が下がっていきます。
そして特定加算を受けるためには、事業所がこの処遇改善加算のⅠ~Ⅲまでを取っていないといけません。
このⅠ~Ⅲまでに該当している事業所は現在、全体の約90%です。
90%の事業所はこの一つ目の要件を現時点で満たしています。
逆に!!約10%の事業所はこのままだと特定加算を受けることが出来ないという事です!!
今居る会社はどちらでしょうか?会社にしっかり確認してみましょう。
でないとそもそも給料が上がらないはずです( ゚Д゚ )
ちなみに処遇改善加算Ⅰは月額で37,000円相当が事業所に支払われています。
加算Ⅱは月額で27,000円相当が事業所に。
加算Ⅲは月額で15,000円相当が事業所に支払われているので、
要件をすべて満たせればここに特定加算が上乗せされる形になりますね。
しかし、要件はまだあと二つあります。これだけ満たしていても特定加算は貰えませんよ。
二つ目は「職場環境等要件」
介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組みを行っている事が必要になります。
- 資質の向上
- 労働環境、処遇の改善
- その他
上記の一つの項目について、各1以上の取り組みを行うことが必要とされています。
最低でも3つの取り組みをしないといけないといけません。
それぞれの項目でどういう取り組みを行えばいいのか、厚生労働省が発表している資料の表を添付しますので、詳細はこちらの画像から確認してください。
※介護人材の処遇改善について – 厚生労働省より抜粋
三つ目は「見える化要件」
特定加算に基づく取組みはホームページ等によって公表をしている事が必要です。
要は、外部に向けてちゃんと公表してくれという事ですね。
この「見える化要件」に関しては2020年度より算定要件となります。
そして、これについては比較的簡単にクリアすることが出来ると思います!
ただ、この三つの要件を満たさないといけないとなると、どれくらいの事業所で特定加算を受けることが出来るのでしょうか…疑問ですよね( `ω´ )
特定加算を受けるための申し込み
要件を満たしたら次は申し込みです!
今の事業所の総務さんや事務長さんに頑張ってもらうターンですね!
この提出書類の様式を実際にぼくも見たんですが…非常に細かい(‘Д’)そのうえ非常に分かりにくかったです
役所の手続きなどでも融通が利かないなあ…という思いは皆さんしたことあると思いますが、個人的な印象としては全体的に「非常に分かりにくい…」の一言です。
これを全国の介護事業所の総務さんがサラッと手続きできるはずは無いと思います。
現に、先ほどお伝えした処遇改善加算の(Ⅰ)を受けていない事業所の半数以上が「手続きが難しい」という理由で加算申請を後回しにされている状態です!
今回の特定加算もほぼ確実に同じ様な声が上がるでしょう!
とはいえ、事務長さん、総務の方々、代表取締役の皆さんには是非みんなの代表として頑張って頂きたいです。
加算を受けた後の分配方法について
たぶんですね。
ここの内容を聞いたら
「ウソでしょどうなってるんだ(‘Д’)ぽかーーん」になる人が大量発生すると思います(笑)
まず簡潔に述べると
【それぞれの事業所にいる介護福祉士の中で「この人いい感じだよ~」っていう人を何人か適当に選んで、いい感じに特定加算を分配しちゃって!任せるから!あ、最低限のルールだけ作った!】
という感じです。
(‘Д’)ぽかーーん
誰が該当するのか、という部分も事業所の判断。
いくら配分するのか、という部分も事業所の判断。
になります!!
これを知った時ちょっと信じられなかったですぼくは!!
もちろん、状況が悪くなる話ではないです。
給料は上がるとは思います。
ただ、事業所によって金額がバラバラになるでしょう。
税金が使われるにも関わらず、いい事をしようとしているにもかかわらず、
最終的に「事業所の判断に任せま~す」という匙を投げる様な制度に聞こえました。
ただでさえ今、現場では“同じ仕事内容なのにあっちの事業所の方が処遇改善金が高く、こっちは処遇改善金が低い”というような格差が生まれていることをぼくは知っています。
それを加速させてもおかしくないような内容で運用が始まるのです。
現場で沢山の不平等や不満を聞いてきたからこそ、本当に残念でなりません。
しかしこれは裏を返せば、
介護士想いの事業所は「経験は10年に満たないけど本当に頑張ってくれてるね!!」と言って、給料をいい感じにしてもいいという制度でもあるんです(‘ω’)笑
なのでこの制度と上手く付き合う為には、
あなたの事をちゃんと見ていてくれて、ちゃんと給与で評価してくれる事業所で働く
という事が非常に大切になります。
勤続8年目だけど…頑張ってるから給料あげちゃう!!と言ってくれるような事業所と巡り合えたら幸せですよね。
では、ここからはその分配方法の最低限のルールについてお話していきます。
具体的な分配ルール 一つ目
まず、介護事業所で勤務する人を3つのグループに分けます
a. 介護福祉士を持っており、経験・技能がある介護職員
b. それ以外の介護職員
c. その他の職種(調理師など)
まずこのaのグループの内、法人に1人以上は、賃金改善に要する費用の見込額が月額8万円以上、又は、賃金改善後の賃金の見込額が440万円以上にならなくてはならない。
という内容。
【aグループの人の内、最低でも1人は月額8万円以上の給料アップか、もしくは440万円以上まで年収を上げる事】
といえばすこし分かりやすいでしょうか(‘ω’)
さらに【すでに440万円以上の年収の介護職員がいる場合はこの限りではない】というルール付き。
どうでしょうか。皆さんには実際に給料が月に8万円上がる内容に見えますか?
年収440万円が上限の給与になる気がしませんか?
具体的な分配ルール 二つ目
もう一つは、
aグループの人は、bグループの人の賃金改善費用の2倍以上の賃金改善を行う事。
bグループの人は、cグループの人の賃金改善費用の2倍以上の賃金改善を行う事。
という内容。
【aグループの給与を一番上げないとダメですよ】という事ですね。
一見いい制度内容に見えるんですが、そもそもaグループに入るための定義が曖昧なため結局その程度の内容ですよね…
分配方法の最低限のルールは以上です(・ω・)
決して悪くなる話ではない、介護士の未来に期待は持てる
分配ルールを見てもらって気付くとは思うのですが
介護業界全体の給与が今までよりもアップするという事は確定です!!これは間違いない!!
不平等や格差は広がるかもしれません。
それはそうなんですが、日本の政府の介護業界を何とかしようという姿勢だけは見えますよね。
今後の介護業界について希望が持てる内容にはなっているはずです!
金額についても、2000億円の予算を割くのでそれなりのインパクトになるのではないでしょうか。
というかそうなってもらわないと税金を支払っている側としても困ります( `ω´ )
ちゃんと給与で評価してくれる事業所で働く
まとめにはなりまずが、文中でお話しした“ちゃんと給与で評価してくれる事業所で働く”という事が本当に大切だと感じます。
特定加算の制度をもって今まで以上に事業所ごとの収入の格差は進むでしょうし、
制度の内容もちゃんと理解しておかないと「何となく給料が上がったラッキー」で終わってしまいます。
皆で払っている税金ですし、日々大変な業務をしている介護士さんのための制度です。
絶対に従業員を第一に考えてくれて、あなたの事をしっかり評価して下さる事業所で頑張ったほうが絶対に良いです。
もし今、この部分で「本当に評価されているのか?」という不安がある方は一度他の施設の見学だけでも行ってみるのはいかがでしょうか。
それは裏切りではなく、あなたが気持ちよく日本の介護業界で長く頑張っていくために必要な行動・知識だと思いますよ(・v・)参考にしてみてください
ちなみに!給与を上げる方法は処遇改善金や特定加算以外にもあります!
もしご興味がある場合はこちらのお話をどうぞ
→「介護士の給料アップ方法7選!今の給与に満足していない方は必見です」
それではまた次回(・∀・)ノ